小川雄之税理士事務所

TAX de PAZZLE解答【2022年3月号】

TAX de PAZZLE、2022年3月号の解答です。

 客席が100席ある飛行機があり、チケットは完売、100人の乗客たちは自分の座席番号が書かれたチケットを持っているのですが、あろうことか、搭乗1人目の客がチケットを紛失し、勝手に選んだ席に座ってしまいました。
 2人目以降の客は、自分の席が空いているならそこに座り、自分の席が誰かに座られていたら空席をランダムに選んで座ります。
 さて、この場合、100人目の乗客が本来の自分の席に座れる確率は何%でしょう?

 

 直感的には、自分の席に座れる確率はかなり低いように思いますが・・・今回は先に正解を発表します。正解は、50%です。

 え?と思われた方も多いでしょうが、順番に考えていきましょう。

 まず1人目の人が座る席を3つのパターンに分けます。①自分の席に座る②100人目の人が座るべき席に座る③2~99人目の人が座るべき席に座る、の3つです。

 わかりやすいのは①と②のケースですね。いずれのケースにおいても、2~99人目の人は自分が座るべき席が空いているのですから、自分の席に座ります。すなわち、①のケースでは100人目の人は自分の席に座ることができ、②のケースでは自分の席に座ることができません(本来1人目の人が座るべき席に座ることになる)。そして、そのようなことが起こる確率はそれぞれ1/100です。

 そして、③のケースにおいては、自分の席が空いていれば自分の席に座るのですから、自分の席が空いてなかった場合を考えます。たとえば1人目の乗客が本来20人目の乗客が座る席に座っていた場合、2~19人目までは自分の席に座ります。そして20人目の客は空いてる80席の中からランダムに座ることになります。ただ、このケースにおいても、①1人目の乗客が座るべきだった席に座る②100人目の人が座るべき席に座る③その他、と分類することができ、①と②になる確率は同じです。③となった場合はたまたまその選ばれた座席に本来座るべきだった乗客が搭乗したときにまた同じようなことを繰り返すことになります。

 つまり、1人目の乗客が、本来2~99人目の乗客の座席に座ってしまったケースにおいて、100人目の乗客が自分の座席に座れるかどうかは、2~99人目の乗客のいずれかが、「1人目の乗客が座るべきだった席に座る」か「100人目の乗客が座るべき席に座る」かに委ねられることとなり、その確率は全く同じなのです。

 ということで改めて正解は50%ということになります。直感的な感覚とは違ったのではないでしょうか。