小川雄之税理士事務所

TAX de PAZZLE解答【2021年5月号】

TAX de PAZZLE、2021年5月号の解答です。

以下のように3×4の12個のボックスがあり、そのうち2つに当たりクジが入っています。

A B C D
E F G H
I J K L

タカシくんはAから順に横に調べていき(A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,Lの順)、ヒロコちゃんはAから順番に縦に調べていきます(A,E,I,B,F,J,C,G,K,D,H,Lの順)。
どちらか先に当たりのクジをひとつでも見つけた方が勝ち(同じ試行回数の場合は引き分け)というルールだった場合、有利なのはどちらでしょうか?

 

 この問題、一見複雑そうに見えて、実は確率などの小難しい考えは不要です。まずは、2人が引く順番を表にしてみましょう。

  2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
タカシ A B C D E F G H I J K L
ヒロコ A E I B F J C G K D H L

Aに当たりクジが入っていた場合、双方とも1回目に引き当てるため、引き分けになります。Aに当たりクジが入っておらず、BかEに当たりクジが入っていた場合、2回目の引きで決着がつきます。このように、決着がつくケースごとに、その時の当たりクジとその勝敗を見ていきます。

1回目に決着⇒A(引き分け)
2回目に決着⇒B(タカシ)、E(ヒロコ)
3回目に決着⇒C(タカシ)、I(ヒロコ)
4回目に決着⇒D(タカシ)
5回目に決着⇒F(ヒロコ)
6回目に決着⇒J(ヒロコ)
7回目に決着⇒G(タカシ)
8回目に決着⇒H(タカシ)
9回目に決着⇒K(ヒロコ)
12回目に決着⇒L(引き分け)

こうしてみると、タカシが勝つケースとヒロコが勝つケースはいずれも5回ずつであり、有利不利はないように思えます。しかし、重要なポイントは、当たりクジは2つあるということなのです。つまり、決着がついた時点で、もう一つの引かれていない当たりクジがどこにあるのかも考えなければなりません。それを踏まえて、もう一度考えてみましょう。(3回目までは等しい条件なので割愛)

4回目に決着⇒D(タカシ)⇒もう一つの当たりクジは6通り
5回目に決着⇒F(ヒロコ)⇒もう一つの当たりクジは5通り
6回目に決着⇒J(ヒロコ)⇒もう一つの当たりクジは4通り
7回目に決着⇒G(タカシ)⇒もう一つの当たりクジは3通り
8回目に決着⇒H(タカシ)⇒もう一つの当たりクジは2通り
9回目に決着⇒K(ヒロコ)⇒もう一つの当たりクジは1通り

当たりクジが2つあるという条件においては、決着が12回目までつかないことはあり得ないことがわかります。そして、決着が4回目以降になるケースのそれぞれの勝利パターンは何通りあるか合計してみると、タカシが11通り、ヒロコは10通りとなります。

 したがって、タカシの方が有利であるというのが解答となります。

ちなみに、全当たりクジパターンと勝敗を示すと、以下の通りとなります。

勝者 勝者 勝者 勝者 勝者 勝者
AB 引分 BC タカシ CE ヒロコ DH タカシ EL ヒロコ GL タカシ
AC 引分 BD タカシ CF タカシ DI ヒロコ FG ヒロコ HI ヒロコ
AD 引分 BE 引分 CG タカシ DJ タカシ FH ヒロコ HJ ヒロコ
AE 引分 BF タカシ CH タカシ DK タカシ FI ヒロコ HK タカシ
AF 引分 BG タカシ CI 引分 DL タカシ FJ ヒロコ HL タカシ
AG 引分 BH タカシ CJ タカシ EF ヒロコ FK ヒロコ IJ ヒロコ
AH 引分 BI タカシ CK タカシ EG ヒロコ FL ヒロコ IK ヒロコ
AI 引分 BJ タカシ CL タカシ EH ヒロコ GH タカシ IL ヒロコ
AJ 引分 BK タカシ DE ヒロコ EI ヒロコ GI ヒロコ JK ヒロコ
AK 引分 BL タカシ DF タカシ EJ ヒロコ GJ ヒロコ JL ヒロコ
AL 引分 CD タカシ DG タカシ EK ヒロコ GK タカシ KL ヒロコ

全66パターン中、タカシが勝利するパターンが27通り、ヒロコが勝利するパターンが26通り、引き分けになるパターンが13通りあります。