小川雄之税理士事務所

TAX de PAZZLE解答【2021年6月号】

TAX de PAZZLE、2021年6月号の解答です。

生徒が3人(A,B,C)のみという田舎の小学校で運動会が開催されました。参加者は3人のみです。各競技では1位2位3位にそれぞれ得点が与えられ、その得点は全競技を通して常に一定です。つまり1位は常にX点、2位は常にY点、3位は常にZ点が与えられます。(得点は、X>Y>Z>0を満たす整数)
全競技が終了したところ、「Aは全体で22点」「Bは玉入れで1位になり、全体で9点」「Cは全体で9点」という結果に終わりました。さて、50メートル走で2位になったのは誰?

 

 条件に記載されている競技は玉入れしかないのに、50メートル走の順位なんてわかるわけが・・・と思いがちですが、これがわかるのです。

 まず、この運動会で行われた競技が全部で何競技あったのかを考えます。3人が獲得した得点の合計は22+9+9=40点です。すなわち、競技数は40の約数となります。また、1競技当たり与えられる得点合計は最低でも6点(1位3点、2位2点、3位1点)となります。この条件により、競技数は1,2,4,5のいずれかとなります。BとCが同点である時点で1競技だけということはあり得なく、2競技だけしかないのであればAの総得点から考えれば1位に与えられる得点は11点以上が必要になりますが、Bが玉入れで1位になっているにも関わらず総得点が9点しかないことから矛盾が生じます。

 競技数が4つだとすれば1競技当たりの総得点は10点となり、その振分けは1位で最大7点(2位2点、3位1点)となります。しかし、1位に7点を振るとBの総得点がどうしても10点を超えてしまいます。逆に、1位が6点(2位3点、3位1点)だとすれば、Aがどうやっても22点に到達しません(6点×3競技+3点×1競技=21点)。したがって、競技数は4つでもありません。

 残すは競技数が5つである場合です。1競技当たりの総得点は8点となり、1位の得点最大値は5点(2位2点、3位1点)です。この場合、Aは玉入れ以外の競技で1位を取れば5点×4競技で20点、玉入れが2位であれば得点合計は22点で条件を満たします。Bについても、玉入れが1位で5点を獲得し、残りの4競技がすべて3位で1点獲得となれば得点合計は9点となります。すなわち、Cは、玉入れが3位で1点、残りの4競技が2位で2点×4競技となり、得点合計が9点となります。

 設問は「50メートル走で2位になったのは誰か」ですが、玉入れ以外の順位はすべて同じなので、2位になったのはCであると確定します。